20071026

靴作りの工程 #2

   作業工程の紹介をしていきたいと思いますがその前に木型について少し。木型の形にソールを付けたものが最終的な靴の形になります。木型の種類はたくさんあります。工房にもいたるところに木型が置いてあります。注意したいのはサイズさえあえばどれでもいいかといったらそうではなく、男の人の足用、女の人の足用があって仕様がそれぞれ異なります。あともちろん足の形に個人差があるのでそれに合わせた木型選びも大切です。


 
 それではいよいよ実際の作業に入ります。まず靴の中底を作ります。初めから木型に合う大きさにはなっていないので、木型の底にデザインテープを貼って形を写し取り、それに合わせて削ります。今回使う木型など特殊な形のものは、継ぎ足したりしなければなりません。わざわざ材料を買いに行っている時間の余裕はないので、その場で臨機応変に対応します。 師匠にいつも言われるのは「常に次のことを考えて作っていかなきゃだめだ」ということです。できることは頭の中でイメージしてあらかじめ準備しておくことが大切です。



                
            続いてつま先とかかとに入れる芯材を作ります。


 漉きの機械を使って周りを薄くして、グラインダー(やすり)で滑らかにします。少しでも凸凹があると履き心地が悪くなってしまうので、細かいところとはいえ気は抜けません。下準備が地味に大変です。少しの誤差が後々響いてきます。慎重に。



  芯材完成。これで下準備は大体OKです。



   先ほど作った中底を木型に釘で打ちつけぴったり固定します。




 次に、芯材を入れずにアッパーが木型に合うか試しに釘で打ちつけ固定してみます。仮釣りといいます。あとの作業がやりやすいように革に癖をつけていく意味もあります。



 仮釣りして問題がなければ、先ほど作った芯材を入れて本釣りしていきます。細かいところは説明を省きますが、靴の周りの革を引っ張って釘で固定を繰り返していきます。これが甘いとしわになったり、履き心地に影響が出てしまうので、常に抑えている左手で革の引っ張り具合を確認しながらすすめていきます。


                      釣り込み完成。


 このまま一日以上寝かせることで革が木型に馴染んで靴の形になります。あとは釘を抜いて、中底と本底の間に中板と呼ばれるものを手で縫いつけ、そして本底を付けていきます。

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